お勧めのジャズ名曲ランキング |
♪おすすめジャズランキング第6位★「Kind of Blue」マイルス・ディビス
自分が大学のオーケストラでトランペットを吹いていたので、マイルス・ディビスかと思いきや、ペットを吹いていなかった高校時代からの必聴アルバムです。
50年代末、それまでジャズの中心的なスタイルだったハードバップが、先鋭な発想をもったミュージシャンには飽き足らないものと映るようになっていた。
そこでマイルス・ディヴィスは、煮詰まった音楽の一新を計るべく、ジャズの演奏原理に「モード」と呼ばれる新しい音楽理念を導入した。
そのときに作ったのがこのアルバムである。
発売と同時に大きな反響を呼んだこの演奏は、新時代のジャズとして、60年代のジャズシーンを主導する重要な歴史的役割を果たした。
またこの作品は、ジャズファンだけでなく幅広い層から長期にわたって支持されたこともあって、ジャズアルバムでは異例ともいえるセールス枚数を記録している。
綿密に構成された内容は、それまでのジャズのイメージを変える斬新なものだ。
もう、言わずもがなの傑作にして、「モダンジャズの最重要作」であるのは周知の事実であるが、現在でもこれほど売れていて、多くの人が「傑作」の評価をしているにもかかわらず、実際のリスナーによる反応が割りと微妙な意見が少くないというアルバムも珍しい。
このアルバムを「嫌いな人」というのは、「スタティック(静的)な演奏で、楽しめない」ということを、口を揃えて言うが、確かにその意見も当たってはいると思うのだ。
マイルスではなくて、エヴァンスの側からこのアルバムを聞いた人なら、「完璧にエヴァンスがコントロール」しているということは、比較的容易に気づくが、マイルスのアルバムの延長線上から本作を聞いた人には、「音楽のダイナミズム」が感じられないのかもしれない。
ビル・エヴァンスについては、説明の必要もないだろう。
マイルスと同じく、「新しいジャズ」の奏法を考案した理論派で、ジャズピアニストの巨人である。
モダンジャズそのものを作り上げた、偉大なる巨人二人の共演。
奇跡のアルバムだ。
色々むずかしいこと考えずにJAZZの良さを知りたいという人はこのアルバムからスタートすればきっとJAZZ好きになると思います。
メンバーが豪華だったり、このアルバムが歴史的に超有名だったりと聞かされる前にこのアルバムを聴いて素直にJAZZが好きになりました。
やはり良いものは良いのです。
●Kind of Blue / ●楽天
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♪おすすめジャズランキング第7位★「サキソフォン・コロッサス」ソニー・ロリンズ
ソニーロリンズの最高傑作と言われることも多いアルバムです。
最大の魅力は、やはり、ロリンズの豪快でぶっといテナーサックスの音でしょうか。
これを大音量で聴くと、不思議と、気分も爽快になります。
そして、pのトミーフラナガン、bのダグワトキンス、drのマックスローチら、脇を固めるサイドメンのプレイ。
ソロパートでは、しっかり自己の音を出しています。
名盤?最高傑作?人によって評価はまちまちですが、音楽は、その名が語る通り、最後は、楽しめるかどうか。
そういう点では、文句なく面白いアルバムです。
1950年代のイーストコースト・ジャズを代表するだけでなく、モダン・ジャズの最高傑作一つとしてあげられる本作は、ジャズのもつアドリブ芸術の一つの極点ともいえる。
早くから、豪快なトーンとイマジネーティブな楽想を発揮していた、ソニー・ロリンズだったが、自らの過剰な才能を疑うかのごとく、数度の一時的引退によって雲隠れすることを繰り返した。
この傑作は、復帰したマックス・ローチ=クリフォード・ブラウンのクインテット参加の後吹込みされたものであったが、成熟しつつあったロリンズがブラウンの死によって、一気に完成されたプレイを見せた奇跡的快演である。
モリタート、セント・トーマス、ブルーセブンなどどれをとっても、音色、フレージング、リズム感、アドリブの意外性に優れた名演である。
まさに50年代ジャズの古きよき時代を現代に伝えるモダン・ジャズの必須アイテムであろう。
ワーデル・グレイの死、デクスター・ゴードンの低迷、ジョン・コルトレーンの未完成にあった56年におけるテナー・サックスのずば抜けた金字塔である。
JAZZ入門にも持って来いのアルバムだと思います。
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♪おすすめジャズランキング第8位★「Night Lights(ナイト・ライツ)」ジェリー・マリガン
ジェリー・マリガンはそれまで脇役だったバリトン・サックスで豪快なソロを繰り広げ有名になった人だが、63年録音の本作では、ソフィスティケーションの妙で聴く者を魅了する。
アート・ファーマー、ボブ・ブルックマイヤー、ジム・ホールといった趣味のいいミュージシャンとの共演で、あくまでもエレガントに、そして知的かつ繊細なサウンドで聴く者をうっとりとさせる。
このアルバムでは、選曲の親しみやすさも魅力。
マリガンがピアノを弾いているタイトル曲はメロディが美しく、ボサノヴァ< 2 >「カーニヴァルの朝」、ショパンのクラシック曲<
4 >「プレリュード:ホ短調」、それにスタンダードと、どの曲もチャーミングだ。
簡単にいうと、ウエスト・コースト・ジャズとクラシックの室内楽をブレンドしたような、スマートで上品なテイスト。
それに加え、全体が夜のムードで統一されているのだ。
楽器編成もユニークだが、それらを効果的に生かしたアレンジも素晴らしい。
イージーリスニング的だけど、イージーリスニングとはひと味違う極上のジャズになっているところが、名盤たるゆえんなのである。
これは夜に楽しむべき音楽である。
リーダーのMulliganはじめ,ソロイストのArt FarmerもBob Brookmeyerも決して熱くブロウはしない。
あくまでも淡々と,渋い演奏が続く。
白眉はショパンの前奏曲をアレンジした"Prelude in E minor"。
ベテランには懐かしいFM東京の深夜番組「アスペクト・イン・ジャズ」のテーマ曲であるが,夜の帳がおりた後にこれほど適した音楽もなかなか見当たらない。
人々のナイト・ライフに安らぎやくつろぎを与える音楽として,記憶に残る名盤。
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♪おすすめジャズランキング第9位★「ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン」ヘレン・メリル
「ニューヨークのため息」というキャッチフレーズを思いついたのは誰なのか知らないが、たしかにヘレン・メリルはニューヨークの出身であるし、ハスキーヴォイスの哀感漂う歌声、インテリジェンスを感じさせる都会的な歌声は、ウディ・アレンの映画にもぴったりとマッチする。
ヘレンの最高傑作といえば、1954年に録音した本作できまりだろう。
極め付きの<2>はコール・ポーターの名曲だし、ほかにガーシュウィンやロジャース&ハートらのメジャースタンダードを取りあげていて、選曲がいい。
それらの曲を控えめに料理したクインシー・ジョーンズのアレンジも冴えている。
そして、クリフォード・ブラウンの素晴らしいトランペットソロが聴けるのも本作の魅力だ。
当時25歳だったヘレンのみずみずしい歌声と輝かしいブラウンのソロ。
その絶妙なコンビネーションがなんともいえずいい。
2曲目が突出したかたちで有名になってしまったけど、ほかの曲もすべてチャーミングだ。
このアルバムを聴いていると、彼女やバックメンバー達が仕事に来て、緊張感の中セッションをやっている様子がなんとなく絵で見えてくる。
ニューヨークの片隅のスタジオでその瞬間ほとんど一発勝負でやっている感じがするから。
(クインシーがプロデュースなので用意は周到だと思うが、多分演奏そのものはワンテークが多いんじゃないか)もの凄く、現場の雰囲気がそのまま伝わってくるような出来上がりになっている。
そこが映画を観ているようで良いんじゃないか。
そういう意味でも人気があるのだと思います。
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♪おすすめジャズランキング第10位★「Sings」チェット・ベイカー
チェット・ベイカーの代表作として多くの人が真っ先にあげるのが本作。
トランペッターだったチェットが歌うようになったのは50年代はじめのこと。
そして歌手としての名声を確立したのが本作だった。
曲はおなじみのスタンダードばかり。
しかしチェットが歌うと、そこに独特の世界が広がり、聴く者はついついその世界に引き込まれてしまう。
そういう意味では、チェットの歌と演奏には麻薬的な魅力が潜んでいる。
ジャズ・ヴォーカルにありがちな大胆なフェイクは行なわず、メロディをストレートに歌い上げるスタイルはいたってシンプル、それでいて味わい深い。
まるで耳元で囁くようなソフトな感触の歌声はチェットの専売特許といっていい。
いまでは笑い話だが、当時チェットの歌を聴いた人は、女性が歌っていると誤解したりしたものだ。
中性的と形容されるアンニュイな歌声、その歌声とリリカルなトランペットのハーモニーが絶妙だ。
チェット・ベイカーを聴くなら、なにはさておき本作から。
ジャズ界広しと言えどもチェット・ベイカーのボーカルを凌ぐボーカルがあるとも思えないし、これから出てくるとも思えない。
1950年代から彼はいつの間にか歌い始め、本作はその評価を確立したアルバムだ。
「癒し」のCDです。
気持ちがブルーな時も・・・「自分でBAR感覚」で、疲れたカラダを癒してくれます。
騙されたと思って聴いてみてください。
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